で説明したように、「畳の上に座ったり、畳に手で触れたりすると死ぬ」
という強迫観念を克服して、畳の上に座れるようになるために、
畳に手で触れることから始め、その後、畳の上に座れるようになりました。
強迫観念がありながら、その強迫観念に逆らうようなことをすると、
強烈な強迫観念に苛まれてしまいます。
今回の強迫観念の場合、畳を手でちょっと触れただけで、
強烈な強迫観念が発生しました。「畳に手で触れたら死ぬ」ということですので、
実際に手を触れたら、強烈な死の恐怖を味わうこととなったのです。
この強迫観念による死の恐怖を消すために大事だったのは、
変に意識しないということでした。
・強迫観念によって生まれた感情を、そのまま受け入れる。
・強迫観念を無理に無視しようとしない。
・強迫観念を無理矢理忘れようとしない。
・強迫観念を打ち消すために、それを打ち消すための言葉を、
何度も頭の中で発しない(やるなら1度だけでやめます)
というように、強迫観念に苛まれて、パニックになったりしても、
強迫観念を無理して無視しようとしたり、無理矢理忘れようとしたりすると、
かえって強迫観念に意識が向いてしまって、
強迫観念がずっと気になり続けてしまいますので、
そうしたことは一切しないようにします。
たとえば、今回のように死の恐怖に苛まれているのならば、
「死ぬのは怖い」という感情が生まれているのですが、
その恐怖をそのまま受け入れ、恐怖をそのまま感じ続けていればよいのです。
今、強迫観念によって、自分が恐怖を感じていることを、
否定せず、無視せずに受け入れたままでいればよいのです。
そのような精神状態でいられるようになったら、
そのままの精神状態で日常生活を送ります。
死の恐怖を味わいながら、学校や職場へ行ったり、家事をしたりします。
そうしていれば、短ければ数時間で強迫観念と恐怖の感情は消えますし、
長くても、いずれはちゃんと消えるのです。
・針の確認強迫1-確認強迫(強迫性障害)7-治療編

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