2014年1月26日日曜日

新聞配達の確認強迫3-確認強迫(強迫性障害)5-治療編

新聞配達の確認強迫2-確認強迫(強迫性障害)5-治療編
で書いたように、強迫観念によって生まれた不安が、
あまりに強烈なために、確認せずにはいられなくなって、
確認強迫という症状が出てしまうのです。

そうであるならば、この不安を普通の人が感じる程度の不安にまで、
弱めることが出来れば、確認強迫にならず、1度の確認で安心できます。
まずはこの不安が発生する過程です。


1.間違えて配達して、お客様にご迷惑をかけることと、
  その結果、自分の給料が減ることを避けたいという、
  二つの強い気持ち

2.1の気持ちが強すぎるため、「間違えて配達したのでは?」
  という強迫観念が発生。

3.間違えて配達したとしたら、1で懸念している不利益が現実のものとなるので、
  それを恐れて、極度の不安に陥る。

4.極度の不安から、なんとか逃れるために確認強迫をしてしまう。


という流れで、極度の不安に陥り、その不安を解消するために、
確認強迫をしてしまいます。このような過程によって極度の不安が発生します。
確認強迫をしてしまうのは、この不安が普通の人と比べて、
極度に強すぎるせいなので、この不安を弱めるための方法を考えました。
それを、説明していくことにします。

この極度の不安を生み出す思考は、上記の1です。
この1は「間違えて配達してお客様にご迷惑をかけること」と、
「給料が減らされたくない」という二つの思考から成り立っていますので、
この思考から吟味していきたいと思います。

まず「間違えて配達したら、お客様に迷惑がかかる」というのは、
これは当たり前のことですよね。新聞配達はお客様あっての商売ですから、
ご迷惑をおかけするのはいけませんので、
配る新聞を間違えてはいけないと思うのも当然です。

それでも、普通の人に見られない、極度の不安が生まれるのはなぜか。
この思考そのものには問題はないのですが、
この思考を生み出した、僕自身の思考のより深い部分に、
問題があるのではないかと考え、さらに自分の思考を言語化したところ、
いろいろと分かったのです。

まず配達を間違えるということ、それ自体を許せない考えがありました。
強迫性障害の人の完璧主義的傾向はよく言われますが、
やはり僕も完璧主義ですので、そうした自分の失敗が許せなかったのです。
失敗を極度に恐れ、完璧を追求しすぎる思考。
これが配達を間違えるということに、極度の不安を生み出す源泉の一つでした。

また、「お客様にご迷惑をおかけすること」についても、
それを避けたいのは当然のことです。この思考自体は普通なのですが、
その背後にある思考を言語化してみると、異常なものがあったのです。
それは、「お客様にご迷惑をかけることで、お客様からの評価を失いたくない」
であったり、「お客様に怒られたくない」などの思考でした。

当時の僕は社交不安障害がまだまだありましたので、
人からの評価が落ちて、人に怒られたり、嫌われたりすることを、
極度に恐れていたのです。このような恐れがあまりにも強いために、
自分を否定されでもしたら、絶望することに繋がりますので、
それが極度の不安を生み出していたのです。

また、間違えて配達することで、お客様が新聞の購読を止め、
自分の給料が下がることを恐れるのは、生活の不安からでした。
少ない給料でやりくりして、なんとか生活していた当時の僕ですので、
少しでも給料が減ることは、死活問題だったのです。

このように考えてみると、1の思考の源泉がよく見えてきます。
そこで、上に書いた極度の不安を生み出す流れを補足すると、
以下のようになります。


0.完璧主義があるので、失敗すること自体を自分で許せない。
  社交不安障害があるため、失敗してお客様に怒られ、
  否定されることを極度に恐れる。
  生活に困窮しているので、収入が減るのは死活問題。

1.0という大前提が自分の思考にあるので、
  間違えて配達して、お客様にご迷惑をかけることと、
  その結果、自分の給料が減ることを避けたいという、
  二つの極度に強い気持ちが生まれる。

2.1の気持ちが強すぎるため、「間違えて配達したのでは?」
  という強迫観念が発生。

3.間違えて配達したとしたら、1で懸念している不利益が現実のものとなるので、
  それを恐れて、極度の不安に陥る。

4.極度の不安から、なんとか逃れるために確認強迫をしてしまう。


ということになります。であるならば、根本的に、
1の思考を生み出す大前提である0を治さなければ、
なかなか、確認強迫を生み出す、極度の不安も解消出来ません。
完璧主義、社交不安障害、生活の困窮。

この3つの自分の脳内の思考や障害をなくすことが、
確認強迫を治すためには必要だと判断した僕は、
それをなくすために、いろいろと行動することにしたのです。

このブログは、あくまで強迫性障害の治療の仕方について、
説明するものですので、上の1を生み出す大前提の、
完璧主義、社交不安障害、生活の困窮を改善するための試みについては、
説明しません。また別の機会にでも書くとして、
これらを改善した後の、さらにその先の確認強迫の治療についての説明を、
次回では、説明していくことにします。




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